サランロックについて
排水処理・脱臭用接触材、気液フィルター、土木基礎材として最適
比重が高く、耐水性能に優れ、通気性の良好な多孔構造
サランロックの特長
ロックとはその繊維の形が羊などの捲毛に似ているところから英語でLOCK(捲毛)といわれるようになったものです。
サランロック・フィルターは耐環境性能に優れたポリ塩化ビニリデン樹脂(サラン)をスプリング状にカール加工したものを不織布状に加工し、ラテックスで被覆結合したもので、以下のような優れた特長を有しています。
➀ 高い難燃性 |
工場や病院、船舶、公共施設などのプレフィルタに実績がある |
---|---|
➁ 耐薬品性が良好 |
ミストセパレーターやデミスターなどに適している |
➂ 優れた弾性回復性 |
いろいろな大きさに裁断し、様々な枠に脱着することが可能 |
➃ 吸水性がほぼ皆無 |
水切れがよいため、洗浄した後、乾きが速い |
素材の特性として、かび・バクテリアに侵されにくいので、多湿、泥の中でも性質がほとんど変わりません。また、比重が高く弾性回復性に優れています。
サランロックは物理的・化学的に優れた性質を備え、大きな空間と表面積を合わせ持つ三次元不織布です。 通気抵抗が小さく、濾過効率に優れ、 しかも集塵容量が大きな構造です。 塩化ビニリデン樹脂(サラン)を使用した高性能の三次元不織布「サランロック」は、水処理接触材、空調フィルター、脱臭用接触材、気体用フィルター、液体用フィルター、養魚用分野、土木工事分野等様々なシーンで活躍しています。
サランロックの種類
サランロックはサラン繊維の太さ、厚み、比表面積などの仕様の違う製品の中から、目的にあったものを選択できます。
詳しくは、下記の表をご覧下さい。
OM-150-10
OM-150-15/25
OM-150-50
OS-100-50
OS-120-5
OS-180-20/30
CS-100-10/20
CS-120-20
サランロックの用途
特に大きな空間率をもっているため、空気や液体の通過に際しての抵抗が大変小さく、粒子や気体が衝突・吸着に作用する表面積が非常に大きいので、集塵、気・液接触材、微生物の成育の場所、人工培土としての植物の根の生育材として最適です。
耐水性、対薬品性、耐日光性に優れていることから、非常に広い応用範囲をもっています。
エア・ガス用フィルター
サランロックのフィルターは、空隙率大きく材質と構造が集塵吸着に有効に作用するため、補修率が高く、圧力損失が小さいという利点があります。
ミストセパレーター
サランロックは繊維の柱がランダムに入り組んだ立体的な構造になっています。流入した空気中のミストが繊維に衝突して付着し、繊維に付着したミストは量が多くなると自然に水滴になって下方に移動します。
排水処理用資材
・回転円盤接触材
円盤状に加工したサランロック上に生物膜を発生させ、排水中に浸しながら回転させる「回転円盤処理装置」が排水処理や 下水処理向けに多く採用されています。サランロックならではの大きな表面積と空間率、優れた耐久性を利用した画期的なシステムになっています。(下の写真は回転円盤排水処理装置の例)
・固定床用接触材
サランロックを排水中につるし下げ、表面に生物膜を生成させて曝気し、排水の有機成分を分解させる方法です。表面積と空間率が高いため、多くの微生物を付着させることが出来るので、効率の良い排水処理が行えます。
水滴消音材
水滴が滴下するとかなり耳障りな音がします。この音を消すための水滴消音材としてサランロックが使用できます。
建築・土木資材
川や生命を守り育てる多自然型工法の基礎工事資材として使用できます。
サランロックの性能
サランロック・フィルターは、空間率が高く、材質と構造が塵埃吸着に有効に作用するため、以下の性能に優れています。
捕集率が高い
図1 捕集率と風量の関係
図2 捕集率、圧力損失と粉塵供給量の関係
圧力損失が少ない
図3 圧力損失と風量の関係図
サランロックの規格、難燃性、耐薬品性
品番 | 色 | 厚み (mm) |
サラン繊維の繊度 d(dtex) |
目付 (kg/m2) |
嵩密度 (糸+ラテックス) (kg/m3) |
比表面積 (m2/m3) |
空間率 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
OM-150 | ミックス | 10 | 600〜1,000d (670〜1,100dtex) |
1.1 | 113 | 620 | 93 |
15 | 1.1 | 75 | 410 | 96 | |||
25 | 1.9 | ||||||
50 | 3.8 | 65 | 360 | 96 | |||
OS-100 | ナチュラル 顔料無し |
50 | 1,000d (1,100dtex) |
2.5 | 50 | 240 | 97 |
OS-120 | ナチュラル 顔料無し |
50 | 4,000d (4,400dtex) |
3.0 | 60 | 150 | 96 |
OS-180 | 青 | 20 | 500d (560dtex) |
1.8 | 90 | 620 | 95 |
30 | 2.7 | ||||||
CS-100 | 緑 | 10 | 75d (83dtex) |
0.5 | 50 | 740 | 97 |
20 | 1.0 | ||||||
CS-120 | 緑 | 20 | 75d (83dtex) |
1.2 | 60 | 890 | 96 |
試験項目 | 試料名 | OM-150 | OM-150 | OS-120 | OS-180 | CS-100 | CS-120 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
試料厚み (mm) |
15 | 25 | 50 | 20 | 20 | 20 | |
限界酸素指数 LOI値 |
49.5 | 47.8 | 49.1 | 48.2 | 49.6 | 50.0 | |
備考 | ・JIS K 7201-1995を準用 ・試料を自立させ上部中央に点火してテストを行った。 ・試験の結果であり、保証値ではございません。 |
酸 類 |
クエン酸 | A |
---|---|---|
希塩酸 | A | |
濃塩酸 | A | |
硝酸(10%) | A | |
燐酸(10%) | A | |
硫酸(50%) | A | |
希酢酸 | A | |
濃硝酸 | A | |
燐酸(60%) | A | |
硫酸(70%) | B | |
氷酢酸 | A | |
濃燐酸 | A | |
濃硫酸 | C | |
ア ル カ リ |
水酸化カルシウム(石炭乳) | A |
苛性ソーダ(20%) | B | |
希アンモニア水(10%NH3) | C | |
濃アンモニア水(28%NH3) | C | |
苛性ソーダ(70%) | C | |
アミン類 | C | |
ガ ス |
炭酸ガス | A |
炭化水素 | A | |
塩素 | C | |
亜硫酸ガス | A | |
臭素 | C | |
油 脂 |
動物油 | A |
植物油 | A | |
鉱物油 | A |
酸 化 剤 |
過酸化水素 | A |
---|---|---|
漂白剤 | A | |
過塩素酸 | A | |
濃酸化剤 | B | |
塩 類 水 溶 液 |
ミョウバン | A |
硫酸銅 | A | |
硫酸マグネシウム | A | |
硫酸第二鉄塩 | B | |
過マンガン酸カリ | B | |
硫酸銀 | A | |
酸性亜硫酸ソーダ | A | |
炭酸ソーダ | A | |
食塩 | A | |
硝酸ソーダ | A | |
硫酸ソーダ | A | |
亜硫酸ソーダ | A | |
溶 剤 |
メチルアルコール | A |
アルコール | A | |
グリコール・グリセリン | A | |
鎖状炭化水素 | A | |
ガソリン | A | |
芳香族炭化水素 | C | |
塩素化炭化水素 | B | |
エーテル類 | C | |
エステル類 | A | |
ケトン類 | C | |
ニトロベンゾール | C |
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